根管治療後に痛いのはなぜ?いつまで続くかと異常な痛みの見分け方を解説

根管治療を受けた後に、「神経を取ったのにまだ痛む」「この痛みはいつまで続くのだろう」と不安を感じている方は少なくありません。
実は、根管治療後に痛みが出ることは珍しくなく、多くの場合は正常な反応です。
しかし、痛みの種類や続く期間によっては、治療に何らかの問題がある可能性も考えられます。
この記事では、根管治療後の痛みがなぜ起こるのか、正常な痛みと異常な痛みの見分け方、そして痛みが続く場合の対処法について、わかりやすく解説します。治療後の不安を少しでも軽減できるよう、具体的な情報をお届けします。
根管治療後に痛みが出るのは正常な反応
根管治療を受けた後、2〜3日程度の痛みが出ることは決して珍しくありません。
これは治療による一時的な反応であり、多くの場合は心配する必要がないものです。
治療後の痛みが起こる理由
根管治療では、歯の内部にある「根管」と呼ばれる細い管の中を清掃し、消毒した後に薬剤を詰めます。この過程で、以下のような理由から痛みが生じることがあります。
器具による物理的な刺激・・・根管内を清掃する際、リーマーやファイルといった細い器具を使用します。これらの器具が根の先端部分(根尖)に触れることで、周囲の組織に刺激が加わり、一時的な炎症が起こることがあります。
消毒剤による刺激・・・根管内を洗浄・消毒する際に使用する次亜塩素酸ナトリウムなどの薬剤が、周囲の組織に刺激を与えることがあります。
薬剤の充填による圧迫感・・・根管内に薬剤(ガッタパーチャなど)を詰める際、空気が入らないよう緊密に圧をかけながら充填します。この圧力が一時的な痛みや違和感を引き起こすことがあります。

正常な痛みの特徴
治療後の正常な痛みには、いくつかの特徴があります。
まず、痛みの程度は「ズーンとした鈍い痛み」や「噛むと少し痛む」といった程度で、我慢できないほどの激痛ではありません。市販の痛み止めで対処できる程度の痛みです。
また、痛みの持続期間は通常1〜3日程度で、長くても1週間以内には治まります。治療後24時間以内が最も痛みが強く、その後は徐々に軽減していくのが一般的です。
このような正常な痛みは、歯の周囲の組織が治療による刺激から回復する過程で起こるものであり、時間の経過とともに自然に改善していきます。

歯茎にできものがあって痛いのはなぜ?注意したい症状を歯科医が解説
歯茎にできものができて痛みを感じる場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
注意したい症状や受診の目安について解説します。
異常な痛みの見分け方と原因
一方で、治療後の痛みの中には注意が必要なものもあります。
以下のような症状がある場合は、治療に何らかの問題がある可能性を考える必要があります。
異常な痛みの特徴
激痛で夜も眠れない・・・痛み止めを飲んでも効果がなく、日常生活に支障をきたすほどの強い痛みが続く場合は、注意が必要です。
1週間以上経っても痛みが治まらない・・・通常の痛みは1週間以内に軽減しますが、それ以上続く場合は治療の不備や再感染の可能性があります。
痛みが日に日に強くなる・・・時間とともに痛みが増していく場合は、炎症が悪化している可能性があります。
歯茎の腫れや膿が出る・・・歯茎が腫れたり、膿が出たりする場合は、細菌感染が起こっている可能性が高いです。

異常な痛みの主な原因
異常な痛みが続く場合、以下のような原因が考えられます。
神経の取り残し・・・根管は非常に複雑な構造をしており、枝分かれしていることもあります。神経の一部が残っていると、炎症が続き痛みが長引くことがあります。
根管内の細菌感染・・・根管内の清掃や消毒が不十分だった場合、細菌が残り、再び感染を起こすことがあります。特にラバーダム(治療中に唾液や細菌が入らないようにするゴムのシート)を使用せずに治療を行った場合、感染のリスクが高まります。
根管充填の不備・・・根管内に詰める薬剤が根の先まで十分に届いていない場合や、逆に根の先を超えて薬剤が出てしまった場合、痛みが続くことがあります。
歯根の破折・・・歯の根が割れたり、ひびが入ったりしている場合、そこから細菌が侵入し、炎症を起こすことがあります。この場合、根管治療だけでは解決できないことが多いです。
根尖性歯周炎の急性化・・・既に根の先に炎症があった場合、治療の刺激によって急性化し、強い痛みや腫れを引き起こすことがあります。
痛みが続く期間の目安
根管治療後の痛みがどのくらい続くのかは、多くの患者様が気にされるポイントです。
ここでは、痛みの経過について具体的な目安をお伝えします。
正常な経過の場合
正常な根管治療後の痛みは、以下のような経過をたどることが一般的です。
治療直後〜24時間・・・最も痛みが強い時期です。ズーンとした鈍痛や、噛むと痛むといった症状が現れます。この時期は痛み止めを服用することで、痛みをコントロールできます。
2〜3日目・・・痛みは徐々に軽減していきます。日常生活にはほとんど支障がない程度になることが多いです。
4〜7日目・・・ほとんどの場合、この時期までに痛みは消失します。違和感が残ることはありますが、気にならない程度になります。
治療前に強い痛みがあった場合や、根の先に大きな病変があった場合は、回復に少し時間がかかることがあります。しかし、それでも2週間以内には痛みが治まることが多いです。

異常な経過の場合
以下のような場合は、異常な経過と考えられます。
1週間以上経っても痛みが変わらない・・・痛みの程度が全く改善しない場合は、治療の不備や再感染の可能性があります。
一度治まった痛みが再発する・・・痛みが一旦なくなったのに、数日後や数週間後に再び痛み出す場合は、細菌感染や根管充填の不備が考えられます。
1ヶ月以上痛みが続く・・・長期間にわたって痛みが続く場合は、根管治療だけでは解決できない問題がある可能性があります。歯根端切除術などの外科的処置や、場合によっては抜歯を検討する必要があるかもしれません。
根管治療後の持続的な痛みの頻度は約5.3%という報告があり、決して珍しいことではありません。しかし、適切な対処を行うことで、多くのケースで改善が期待できます。
痛みが出たときの対処法
根管治療後に痛みが出た場合、適切な対処を行うことで症状を軽減できます。
ここでは、自宅でできる対処法と、歯科医院で行う治療について説明します。
自宅でできる対処法
痛み止めの服用・・・市販の痛み止め(ロキソニンやイブプロフェンなど)を服用することで、痛みをコントロールできます。歯科医院で処方された痛み止めがある場合は、指示通りに服用してください。
患部を冷やす・・・痛みや腫れがある場合は、頬の外側から冷たいタオルなどで冷やすと、炎症を抑える効果があります。ただし、冷やしすぎには注意が必要です。
安静にする・・・治療した歯で硬いものを噛むのは避け、できるだけ反対側で噛むようにしましょう。また、入浴や運動など血行が良くなることは、痛みを増す可能性があるため控えめにしてください。
口腔内を清潔に保つ・・・治療した歯の周囲を優しくブラッシングし、清潔に保つことが大切です。ただし、強く磨きすぎないよう注意してください。

歯科医院での治療
痛みが強い場合や長引く場合は、歯科医院での追加治療が必要になることがあります。
根管の再治療・・・神経の取り残しや細菌感染がある場合は、根管内を再度清掃・消毒します。マイクロスコープを使用した精密な治療により、見逃していた根管や汚れを取り除くことができます。
咬合調整・・・噛み合わせが高くなっている場合は、歯を少し削って調整することで、痛みを軽減できます。
抗生剤の投与・・・細菌感染が疑われる場合は、抗生剤を処方することがあります。腫れや膿がある場合に特に有効です。
切開排膿・・・歯茎が大きく腫れて膿が溜まっている場合は、歯茎を切開して膿を出す処置を行います。
歯根端切除術・・・根管治療を繰り返しても改善しない場合や、根の先に大きな病変がある場合は、外科的に根の先端部分を切除する処置を行うことがあります。
当院では、マイクロスコープとラバーダムを用いた精密根管治療を実施しており、治療の成功率向上を目指しています。痛みが続く場合や不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
根管治療の成功率を高めるために
根管治療後の痛みを最小限に抑え、治療を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
精密な治療が重要
根管治療の成功には、精密な診断と治療が欠かせません。
マイクロスコープの使用・・・根管内部は非常に細く複雑な構造をしているため、肉眼では見えない部分が多くあります。マイクロスコープを使用することで、根管内部を最大80倍まで拡大して確認しながら治療を行うことができ、神経の取り残しや汚れの見逃しを防ぐことができます。
ラバーダム防湿の使用・・・治療中の歯を細菌や唾液から守るため、ラバーダムと呼ばれるゴムのシートを使用します。これにより、治療中の感染リスクを最小限に抑え、治療の成功率を高めることができます。
歯科用CTによる診断・・・根の形態や病変の広がりを立体的に把握するため、歯科用CT(CBCT)を活用します。これにより、隠れた根管や複雑な根の形態を正確に診断し、無理のない治療計画を立てることができます。

早期の治療が大切
根管治療が必要な状態を放置すると、炎症が広がり、結果的に歯を残せなくなることもあります。
虫歯の進行度によって、根管治療の成功率は大きく変わります。初めて根管治療を行う場合で、根の先に病変がない状態(ステージⅠ)では、成功率は約90%と高いです。しかし、何度も根管治療を繰り返している場合(ステージⅢ以降)では、成功率は50〜60%程度まで低下します。
そのため、歯の痛みや違和感を感じたら、早めに歯科医院を受診することが重要です。
複数の専門医によるチーム医療
当院には、歯の保存にこだわる根管治療に精通した歯科医師が複数在籍しています。それぞれ異なる経験と視点を持つ歯科医師が連携し、一本の歯に対しても多角的に診断・治療を行います。
難症例や再治療が必要なケースにおいても、「抜歯ありき」ではなく、歯を残す可能性を最後まで追求することを大切にしています。
「抜歯と言われた」「何度も再発を繰り返している」という場合でも、まずは一度ご相談ください。歯を守る選択肢をご提案します。
まとめ
根管治療後の痛みは、多くの場合は正常な反応であり、1週間以内に治まります。
しかし、激痛が続く場合や、1週間以上経っても痛みが改善しない場合は、治療に何らかの問題がある可能性があります。
痛みが続く場合は、我慢せずに早めに歯科医院を受診することが大切です。適切な診断と治療により、多くのケースで症状を改善することができます。
当院では、マイクロスコープやラバーダム、歯科用CTを活用した精密根管治療を実施しており、できる限り歯を残すことを治療の軸としています。根管治療後の痛みや不安がある方は、お気軽にご相談ください。
葛西駅前 君の歯を残したい歯医者さん 歯科・矯正歯科では、患者様一人ひとりの歯を大切に守るため、精密な診断と治療を提供しています。
歯の痛みや違和感を感じたら、まずはご相談ください。あなたの大切な歯を守るお手伝いをさせていただきます。
監修ドクター

医療法人社団 YOURDENT
理事長 久保田達也
歯学博士(Ph.D.)、歯科医師(D.D.S.)、デジタルコンテンツマネジメント修士
運営クリニック
・葛西駅前 あなたの歯医者さん 矯正歯科
・葛西駅前 君の歯を残したい歯医者さん 歯科・矯正歯科
略歴
・日本大学歯学部 卒業
・日本大学歯学部大学院 修了(骨粗鬆症および再生治療に関する研究)
-First Authorとして英文論文4本を執筆
































