インプラント後に腫れるのはなぜ?いつまで続くかと受診が必要なサインとは

インプラント治療後に腫れが起きるのは自然な反応です
インプラント治療を受けた後、顔が腫れてしまうことがあります。
「こんなに腫れて大丈夫なのだろうか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
実は、インプラント手術後の腫れは、体が傷を治そうとする自然な免疫反応の一部です。手術では歯茎を切開し、あごの骨にドリルで穴を開けてインプラントを埋め込むため、一時的な傷口ができます。この傷口を修復するために、体は炎症反応を起こし、腫れや赤みが生じるのです。
ただし、腫れの程度や期間には個人差があります。
埋め込むインプラントの本数が1〜2本と少ない場合は、痛み止めや抗生物質の効果もあり、腫れがほとんど出ないこともあります。一方で、複数本のインプラントを埋め込んだ場合や、骨を増やす「骨造成」を行った場合は、手術の範囲が広くなるため腫れやすくなります。
腫れは手術後2〜3日がピークで、その後は徐々に引いていきます。
多くの場合、1週間から10日ほどで落ち着くことがほとんどです。ただし、歯茎や骨の移植を伴う大がかりな手術を行った場合は、2週間程度腫れが続くこともあります。
腫れが2週間以上続く場合や、日に日に悪化している場合は、何らかのトラブルが起きている可能性があります。
腫れる原因は免疫反応だけではありません
インプラント治療後の腫れには、いくつかの原因があります。
手術直後の自然な免疫反応
手術によって体に傷がつくと、体は自然に炎症反応を起こします。これは傷口を修復し、再生するための正常なプロセスです。手術後5〜10日ほどで治まるのが一般的ですが、1回の手術で多くのインプラントを埋め込んだ場合や、歯茎・骨の移植を行った場合は、2週間ほどかかることもあります。

細菌感染による腫れ
手術後に細菌が患部に侵入すると、感染を起こして腫れが長引くことがあります。
手術前に虫歯や歯周病をしっかり治療しておくこと、手術で使用する器具を滅菌すること、無菌室で手術を行うことなど、衛生管理が非常に重要です。感染を放置すると、インプラントが抜け落ちる原因にもなるため、抗菌薬を服用して細菌を除去する必要があります。
骨の火傷(オーバーヒート)
あごの骨にインプラントを埋め込む際、専用のドリルを使用します。
ドリルの取り扱いが不適切だと、ドリルから発生する過度な熱が骨に伝わり、骨が火傷を起こすことがあります。この場合、火傷した部位の腫れや痛みが長期間続くことがあります。
インプラント周囲炎
手術後しばらく経ってから腫れる場合は、インプラント周囲炎の可能性があります。
インプラント周囲炎は、インプラントの歯周病とも呼ばれる病気です。歯垢や歯石が原因で、適切な口腔ケアを怠ると発生しやすくなります。インプラントには天然歯のような歯根膜が存在しないため、細菌が侵入しやすく、感染が進行すると歯周ポケットが深くなり、周囲の骨が吸収されてインプラントが脱落することもあります。

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腫れのピークはいつまで続くのでしょうか
腫れのピークは術後2〜4日ほどです。
手術中は局所麻酔を使用するため、手術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。しかし、麻酔が切れてくると、腫れや痛みの症状が出始めます。痛みのピークは術後2〜3日程度で、痛み止めを服用することで軽減されることがほとんどです。
腫れは術後2〜4日がピークとなり、多くの場合は1〜2週間程度で治まります。
ただし、広範囲に渡ってインプラント手術をした場合や、骨造成を行った場合ほど、腫れが出やすくなる可能性が高いです。術後10日前後で抜糸(歯茎を縫った糸を取り除く処置)を行いますが、その際は少しチクチクとした痛みを感じるかもしれません。
腫れが1〜2週間以上続く場合は、何らかの異常が起きている可能性があるため、速やかに歯科医師に相談してください。

腫れを抑えるために自分でできる対処法
インプラント手術後の腫れや痛みは避けられない部分がある一方で、術後の過ごし方によっても腫れや痛みの出方が変わることがあります。
処方された薬を正しく服用する
手術後は、痛み止めをはじめ、炎症を抑える薬や化膿止めの抗生剤が処方されることがほとんどです。
どの薬も用法・容量を守って正しく服用しましょう。特に抗生剤については、途中で服用をやめてしまうと殺菌効果が薄れ、腫れや痛みが長引く原因となる可能性があるため注意が必要です。
血行が良くなる行動を控える
手術後は運動や長湯、サウナなど、血行が良くなるようなことはできるだけ避けた方が良いです。
血行が良くなると患部から出血したり、腫れや痛みがひどくなったりする恐れがあります。入浴はシャワー程度で軽く済ませましょう。また、飲酒も血流を良くするため、手術後2〜4日程度は避けることをおすすめします。
傷口を刺激しない
傷口が細菌感染を起こしてしまうと、腫れや痛みはひどくなります。
手術した傷口を舌や指で触ることや、歯磨きを通常と同じような力加減で行うことは避けましょう。麻酔が効いているからといって、周囲の頬を触ったりすることも傷口が広がる原因となるので避けてください。食事の際は、硬いものや極端に辛いものは避けることをおすすめします。
口内環境を整える
口内が不潔な状態だと、傷口に雑菌が付着してさらに腫れや痛みが出てしまう可能性があります。
患部の周りはあまり強く刺激しないように注意しながら、時間をかけ丁寧に歯磨きを行いましょう。
濡れタオルで患部を冷やす
腫れがひどい場合は、濡れタオルで患部を冷やすことで症状を和らげることができます。
ただし、冷やしすぎると血流が悪くなり、治癒が遅れる可能性があるため、適度に冷やすことが大切です。

こんな症状が出たらすぐに受診してください
インプラント手術後、以下のような症状が見られる場合は、早めに歯科医院を受診してください。
2週間以上腫れが続く場合
通常、腫れは1〜2週間程度で治まります。
2週間以上腫れが続く場合は、感染や拒絶反応などのトラブルが起きている可能性があります。体がインプラントを異物と認識し、免疫細胞がインプラント周辺組織を攻撃する拒絶反応が起きると、放置するとインプラントが抜け落ちる可能性があるため、早急な対応が必要です。
痛み止めが効かないほどの強い痛みがある
痛み止めを服用しても痛みが治まらない場合や、日に日に痛みが強くなる場合は、感染や神経損傷の可能性があります。
すぐに歯科医師に相談してください。
出血が止まらない
手術後の出血は自然なことですが、数日経っても出血が止まらない場合は注意が必要です。
血圧の変動や刺激によって血餅(血液の塊)が壊れやすく、出血や感染の原因となることがあります。術直後から出血が止まらない場合や異常を感じる程の腫れが起きた場合は、早めに担当の医師に相談し、指示を仰ぎましょう。
口元に痺れや麻痺が見られる
手術後に口元や唇、舌に痺れや麻痺が見られる場合は、神経損傷の可能性があります。
神経損傷は、インプラントを埋め込む際に神経を傷つけてしまうことで起こります。多くの場合は一時的なものですが、長期間続く場合は専門的な治療が必要になることもあります。
インプラントを埋め込んだ部位に違和感がある
インプラントがぐらついている、違和感がある、噛み合わせがおかしいなどの症状がある場合は、インプラントが正しく骨と結合していない可能性があります。
早めに歯科医院を受診して、状態を確認してもらいましょう。

薬を飲んで湿疹や下痢などの症状があらわれた
処方された薬によってアレルギー反応が出ることがあります。
湿疹、下痢、吐き気などの症状が出た場合は、すぐに服用を中止し、歯科医師に相談してください。
当院のインプラント治療への取り組み
葛西駅前君の歯を残したい歯医者さん 歯科・矯正歯科では、できる限り患者さん自身の歯を残すことを最優先としながら、やむを得ず歯を失った場合の選択肢としてインプラント治療に力を入れています。
噛む機能の回復だけでなく、周囲の歯やあごの骨への影響、治療後の生活まで見据えた治療計画を重視しています。
安全性に配慮した治療環境
インプラント治療は外科処置を伴うため、当院では安全管理を重視しています。
完全個室のオペ室による衛生管理、医療用空気清浄機を用いた清潔な治療環境、CTによる三次元的な診断、サージカルガイドを用いた精度の高い手術を実施しています。これらの設備と診断体制により、安全性と再現性の高いインプラント治療を目指しています。
痛みや不安への配慮
手術に対する恐怖心や不安が強い方には、静脈内鎮静法を用いた治療にも対応しています。
うとうととリラックスした状態で治療を受けていただけるため、「思っていたより楽だった」というお声も多くいただいています。

骨が少ない・難しい症例への対応
他院で「骨が足りない」とインプラント治療を断られた方でも、当院では骨造成などの方法を含めて検討し、治療が可能かどうかを判断します。
すべての方にインプラントが適応となるわけではありませんが、まずは現状を正確に把握することが重要だと考えています。
治療後まで見据えたサポート
インプラントは、治療後のメンテナンスが非常に重要です。
当院では、治療後も定期的なフォローアップと口腔ケアを通じて、長く安心して使っていただける状態を維持することを大切にしています。
まとめ
インプラント治療後の腫れは、体が傷を治そうとする自然な免疫反応の一部です。
術後2〜3日がピークで、多くの場合は1週間から10日ほどで落ち着きます。ただし、複数本のインプラントを埋め込んだ場合や、骨造成を行った場合は、2週間程度腫れが続くこともあります。
腫れを抑えるためには、処方された薬を正しく服用すること、血行が良くなる行動を控えること、傷口を刺激しないこと、口内環境を整えることが大切です。
2週間以上腫れが続く場合や、痛み止めが効かないほどの強い痛みがある場合、出血が止まらない場合、口元に痺れや麻痺が見られる場合は、すぐに歯科医院を受診してください。
インプラント治療は、失った歯を補う有効な方法ですが、手術後のケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。
不安なことがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。「歯を失った先の人生」まで考えた治療選択を、一緒に考えていきましょう。
監修ドクター

医療法人社団 YOURDENT
理事長 久保田達也
歯学博士(Ph.D.)、歯科医師(D.D.S.)、デジタルコンテンツマネジメント修士
運営クリニック
・葛西駅前 あなたの歯医者さん 矯正歯科
・葛西駅前 君の歯を残したい歯医者さん 歯科・矯正歯科
略歴
・日本大学歯学部 卒業
・日本大学歯学部大学院 修了(骨粗鬆症および再生治療に関する研究)
-First Authorとして英文論文4本を執筆
































