むし歯治療で削った歯を補うための詰め物や被せ物には、医療保険が適用される金属製のものが一般的に使用されています。日本では、治療の主な目的が機能の回復であるため、金属でも十分に役割を果たしますが、いくつかの問題もあります。

• むし歯が再発しやすくなる
• 金属アレルギーのリスクがある
• 審美性が劣る

これらの問題を解決するために、金属を使わない「メタルフリー治療」が注目されています。

むし歯の再発を防ぐ効果が見込まれます

むし歯が再発するときに特に厄介なのは、詰め物や被せ物の中にむし歯菌（例えばミュータンス菌）が入り込んでしまうことです。定期的にメンテナンスに通っていても、レントゲンでは金属が白く映るため、むし歯が広がって痛みが出るまで気づかないことが多いです。また、むし歯が神経に達することもあります。これは、金属製の詰め物や被せ物が変形して隙間ができたり、歯科用セメントが経年で劣化して隙間が生じるためです。

合着と接着の違い

合着は、修復物を歯にしっかりとはめ込み、セメントで固定する方法です。この方法では、セメントを外すことで修復物を簡単に取り外せますが、時間が経つとセメントが劣化して隙間ができることがあります。一方、接着は、歯と修復物がセメントでしっかり結びつく方法です。この場合、歯と修復物が一体化するため、セメントが劣化しても隙間ができにくくなります。

プラークが付きにくくなります

むし歯は、口の中のむし歯菌が食べ物や飲み物に含まれる糖分を利用して酸を作り、これが歯を溶かす病気です。メタルフリー治療で使用されるセラミックは、金属よりも表面が硬く、傷がつきにくく、さらに滑らかです。このため、むし歯菌が繁殖する原因となる歯垢（プラーク）が付きにくく、取りやすくなります。

見た目を重視するなら、セラミックが最適です。金属の詰め物や被せ物が目立ち、思いっきり笑うのが気になる方には、セラミック治療をおすすめします。
セラミックの詰め物や被せ物は、陶器のような素材で、ツヤや透明感があり、自然な歯の色に近い仕上がりになります。当院では、マイクロスコープを使って、繋ぎ目に段差ができないように丁寧に治療を行っています。

治療箇所やご希望に合わせて、セラミックを選定します。当院では、一般的なセラミックに加え、より透明感のある「e.maxセラミック」や、強度が高く鉄のフレームに代わる「ジルコニアセラミック」も取り扱っています。
治療する歯の位置や噛み合わせの力、周りの歯の状態、お口全体のバランス、そしてご予算を考慮し、最適なセラミックをご提案いたします。

※治療費には消費税が含まれています